《脱走時の状況》
里親様のもとへ譲渡されてわずか24時間。
リビングの窓のわずかな隙間から、外の世界へ飛び出してしまいました。
元野良猫ということもあり、外の環境には慣れていますが、人間への恐怖心が非常に強い状態です。飼い主様が必死に名前を呼んでも、その声が逆にプレッシャーとなり、近隣住宅の複雑な床下へと姿を消しました。
飼い主様は「せっかく繋いだ命を自分の不注意で・・・」と、深い自責の念に駆られておられました。
《解決の鍵》
人間を消し、猫の「本能」を逆手に取る
人慣れしていない猫にとって、人間の声は「捕食者の威嚇」に聞こえることがあります。
まずは現場から人間を遠ざけ、猫が「ここはもう安全だ」と誤認する環境を意図的に作り出しました。
赤外線暗視カメラによる行動分析
建物の基礎部分など、猫が潜みそうな隙間にトレイルカメラを設置。
人間が寝静まった深夜、猫がいつ、どのルートで動き出すかを正確に把握しました。
「匂いのアンカー」による定着
以前のシェルターや前の環境で使用していた「自分の匂い」が染み付いたタオルを設置。見知らぬ土地でパニックになった猫にとって、自分の匂いは唯一の安心材料です。
この場所を「安全地帯」だと認識させることで、捜索範囲を最小限に絞り込みました。
捕獲器を使用
金属製の捕獲器は、そのままでは警戒されます。私たちは以下の「擬装技術」を駆使しました。
視覚的擬装:周囲の風景に溶け込むよう、捕獲器を使い古した布や段ボールで覆い、トンネルのように見せる。
触覚的擬装:猫が足の裏に金属の違和感を感じないよう、底面に土や薄いシートを敷き詰め、自然な歩行感を実現。
嗅覚的誘引:タオルの奥に、最も好む匂いの強いフードを設置。
《結果》
空腹と自分の匂いに誘われたのでしょう、設置から48時間経過した深夜2時過ぎ、捕獲器に入ったところを無事保護しました。
直接人間が追い詰めなかったことで、猫の心の傷は最小限に抑えられ、保護後の室内での落ち着きも驚くほどスムーズでした。
現在、里親様と猫ちゃんは安全な室内で新しい生活を再開されています。
